アニメには1話1話にテーマがあり、無駄に思える描写も全ては繋がっている。
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好きなアニメ3本:ポケ戦、コンレボ、刀使ノ巫女
嫌いなもの:客観、論理、中立、是々非々という名の透明化
アイプラは井川葵に注力してました(引退)
2020年6月16日のアーカイブ
- 「コンクリート・レボルティオ」13話。超人について書くことは機能秘密法違反だが、人体実験の事実に報道もただ黙っておられない。幻想と現実の調和はこの時、著しく乱れている。
©BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会… twitter.com/i/web/status/1… - それは秋田課長の「死」で不協和音の鳴り響く超人課や、超人法に隠した意図を見抜かれ動揺する三矢議員なども変わらない。調和が乱れれば、現実や幻想は暴走する。幻想じみた秋田課長の本体は、三矢の悪計に怒り禁を破って彼を殺害する。
#コンレボ - クロードを巡る一連の騒動も、畢竟その均衡を崩す応酬によって成立している。誤情報を流したり、クロードに変装したり、別人に幻想を夢見たり、軽い言葉が子供にとっては親からもらった正義になったり……
#コンレボ - 誰もがその調和を願いながら、そうできない自分を自覚してもいる。学生と公共保安隊どちらの味方にもなれないアースちゃんも、自分の望むように正義を固着させる弓彦も、超人課だが子供の零一を助ける風郎太も、自分も子供の味方だった筈だと苦悩する柴も。
#コンレボ - 騒動の中心にいる長川神(クロード)の中にもまた、幻想と現実が乱気流のように渦巻いている。金属を変性する未知のエネルギーを現実に持ちながら「爾朗の代わり」の幻想を託され、体も心もいじくり回された過去。
#コンレボ - 研究の結果生まれたのが爾朗の代用品の超人ではなく、能力を増幅するヘルメット。被れば神はクロードとなるがそれは「長川神」自体の価値を保証しないしそこまでやってもクロードは爾朗の偽物でしかない。輝子を誤認させられたのも偽物だからに過ぎない。
#コンレボ - だから、対峙する爾朗と神(クロード)が共に暴走するのは必然なのである。自分の中にいる怪獣を暴走させるのも、ヘルメットの故障に気付かず能力を暴走させるのも、己の内の幻想と現実の調和の破綻に他ならない。その果てに神は命を落とす。
#コンレボ - 幻想だけでも現実だけでも爾朗は救えない。だから彼が救出される一連の出来事は変則的だ。止める者歌う者は全員が爾朗を知り助けようとしているわけではなく、ただ暴走した彼を打ち倒してでも止めねばと思っている人もいる。
#コンレボ - 超人法に隠された悪意を聞き出した秋田はそれを止めるために殺人の大罪を犯し、ゆえに事情を知らない爾朗からは敵視を受ける。輝子を追い出す意味で二度と合わないでなどと無理を言った笑美は、自分が超人課を抜けるという方法で爾朗に帳尻を合わせられる。
#コンレボ - そしてこれらの苦い結末も、最後に描かれる圧倒的な事実の前には調和など考える余地なく吹き飛んでしまう。広島に原爆の落ちなかった日本、そこにいた1人の赤子である爾朗。そんな巨大なものと調和の取れる日は、訪れるのだろうか。
#コンレボ - というわけでコンレボ13話のレビューでした。当初は「偽りの中にも真」等で書けるかと思っていたのですがどうもスッキリせず、爾朗も神も暴走しているのは同じと気付くまでウンウン悩む羽目になりました。
#コンレボ - ざっと5年ぶりに見ているわけですが、やー、改めて手強い作品ですね。30分のテーマと言えるものが見つかったかと思っても一段目に過ぎなかったりして、他の作品のレビューの2倍3倍の思考力消費を要求してくる。
#コンレボ - 未だ作品と踊っていると言うよりは胸を借りている感すらありますが、2期目で描かれる話にもなんとか食らいついていきたい。そして、その甲斐のある作品だと思います。
#コンレボ