杉井光『神様のメモ帳1～7』読了。ミステリにカテゴライズしていい作品。扱うテーマは結構ハードで （無理にハードにしてる印象の話もあるが）、トリックや問題解決 の手法もなかなか技巧的。電撃文庫というより講談社ノベルスとい った趣。もっとも、軽い部分のノリは文庫のラノベチック。

（神様のメモ帳続き）総評としては及第点だけど、納得できないのが彩夏の扱い。ナルミにとって、彼女の存在は計り知れなかったはずで、彼女が戻ったことは非常なインパクトだったはずなのに、扱いが小さすぎる。

（神様のメモ帳続き）もちろんいろんな解釈はできる（彩夏が記憶をなくしているからナルミがあえて意識しないようにしてるとか）し、理屈もつけられるけど、しっくりこない。ナルミの意識は明らかに彩夏に向いてたはずなのに、4巻以降のスルーっぷりったらない。

（神様のメモ帳続き）アリスがヒロインの座に収まるのはいいとしても、もう少し心情の変化を描いてもらいたかった。……今気づいたが、この不可解さは『禁書』の記憶喪失に通じる。まああれよりはずっとマシだけど。

三雲岳斗『ダンタリアンの書架1～2』読了。『キノの旅』の含蓄が少ない版、といったところか。まあ1話完結型でアニメには向いてるだろうけど、『GOSICK』とかぶるよなあ……。

蒼山サグ『ロウきゅーぶ！1』読了。ポル産という先入観があったが、あにはからんや正統スポーツもの。近年のラノベの常で、ギミックとしてのポル産はあるが、主軸はあくまでもバスケ。特徴あるメンバーが長所を活かして強敵に立ち向かう、そして最後にほんの少しのキセキという王道的展開。よかった。

いまさら見始めた『DOG DAYS』が意外におもしろい（笑）。